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マイコプラズマ感染症について知っておきましょう

今年はマイコプラズマ感染症が近年になく
流行しており、肺炎など重度の感染を
起こす小児が少なくありません。

よく話題になるマイコプラズマ感染症とは
どのようなものでしょうか。



 マイコプラズマ感染症は小児の肺炎の主要な原因としてよく知られています。
起炎菌である肺炎マイコプラズマは多形性でサイズが1〜5μmと細菌の中では
最も小さい部類に属し、細胞壁を持っていないという特徴を持っています。

通常は飛沫によって感染し、
発症までの潜伏期間は2〜3週間と言われています。

当初は発熱、咳、咽頭痛などの感冒様症状を起こしますが、なかなか改善を
示さず徐々に悪化して肺炎症状になっていくことがよくみられます。

肺炎マイコプラズマは肺炎球菌、インフルエンザ菌などの他の細菌と異なり
細胞破壊のような直接的な細胞障害性はなく、様々な炎症性のサイトカインを
誘導することで免疫反応としての炎症を起こし、肺炎になっていくと
考えられています。

乳幼児などでマイコプラズマ感染が少ないのは、この呼吸器系細胞での
免疫反応が弱いことが一つの要因かも知れません。








 マイコプラズマ感染は以前はオリンピックのような4〜5年に一度
流行を起こすといわれていましたが、最近は毎年それなりの
感染を起こすようになりました。

小児の肺炎の原因検索でいうと、マイコプラズマ肺炎は1歳未満では
全体の2%弱、1〜2歳では6%、2〜6歳では25%、6歳以上の小児では62%と
全体の2/3は肺炎マイコプラズマが原因になっています。

ある意味で非常にありふれた感染症になっているのです。

マイコプラズマ感染は組織障害性がありませんから、
肺炎になっていても肺雑音が聴こえないことが少なくありません。

X線検査での肺の所見の割には聴診に異常がないことも多いのです。
感冒として経過をみていても2週以上咳が続くような場合は、
マイコプラズマ感染は常に考えておいた方がよいと思います。


 マイコプラズマ感染は肺炎以外にも他の全身臓器に様々な症状を
起こすことが明らかになっています。
紅斑、蕁麻疹のような皮膚症状、中耳炎、髄膜脳炎、心疾患、血液疾患、
肝機能障害、関節炎などはよく指摘されているものです。
時には重度の場合もあるので、その場合は早期の治療が必要です。


 マイコプラズマ感染症に対する治療は、マイコプラズマが細胞壁を
持たないため、使える抗生剤に制約があります。
よく使用されるペニシリン系、セフェム系の抗生剤は細菌の細胞壁の
合成を阻害することで効果を発揮しますので、細胞壁のない
マイコプラズマには効果がありません。

そのため、細胞の蛋白合成阻害剤であるマクロライド系、
テトラサイクリン系抗生剤やDNA合成阻害を起こすキノロン系抗菌剤が
効果があります。

テトラサイクリン系のように年齢によっては使いにくい抗生剤もありますので、
一般にはマクロライド系抗生剤が第一選択になります。
ただ、最近、マクロライド耐性マイコプラズマが5〜15%程度あると報告され、
感染の遷延化が危惧されています。

 マイコプラズマ感染は潜伏期間も長いため、周りに感染があっても
すぐに発病するとは限りません。また、その発症もどちらかというと
緩余ですから、知らないうちに悪化することも少なくありません。
特に長引く咳嗽や発熱がある場合は注意が必要ですので、
医療機関を受診して下さい。

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