インフルエンザの流行がようやく終息する気配となりました
昨年12月から始まったインフルエンザ感染は正月明けから急速に拡大し、
1ヶ月以上に渡って流行してきましたが、2月下旬よりようやく終息する気配となってきました。
ただ、当初のインフルエンザA香港型(H3)から最近はインフルエンザB型に流行は変化しています。
また、4月からインフルエンザの登校、登園停止基準が変更されることになりました。
平成23年度のインフルエンザ感染は昨年12月にインフルエンザA香港型(H3N2)の流行が起こり始め、正月で一時収まりかけましたが正月明けから急速に感染が拡大し、近年にない大流行となりました。
ここ数年B型や新型インフルエンザ(AH1N1/2009)の流行によりA香港型の流行はなかったので、年少児は始めての感染ということで罹りやすかったとも言えます。
また、今回の流行株がワクチン株と一致していないために、ワクチンの効果が足りず流行が拡大しやすかったとも言われています。
流行の経過としては、1月中旬には定点当り週10人の注意報水準を越え、すぐに定点当り週30人の警報水準になりました。この頃より学級閉鎖が急増する事態になっています。
警報水準はすでに1ヶ月に渡り継続していますが、発症のピークは過ぎており2月末からは終息する気配になってきました。
一般的な経過として、もう1ヶ月程3月末で感染は終息するものと思われます。
流行株は当初はA香港型だけでしたが、2月になってインフルエンザB型が出現し始め、徐々に流行株のシフトが起こっています。現在はA型とB型の混在がみられますが、A香港型が減りB型の流行が増えている状態です。B型の流行は更に進むかも知れません。
今年に関しては旧新型インフルエンザ(A/2009)は殆ど認められていません。ただ今後は出現してくるかも知れません。
最近の傾向としてインフルエンザの症状はそれ程重症感がみられなくなっています。ワクチンの接種者が増えそれなりの効果が出ているのか、抗ウイルス薬の範囲が広がったためなのか、毎年のように流行があるために自然免疫が強くなっているのか、はっきりとは判りませんが軽症者が増えている印象があります。
特に年長児や成人などでは発熱がみられない人が少なくありません。ただ、発熱がなくても倦怠感、悪寒、嘔気、関節痛などの症状が認められます。だるさ、しんどい状態があるようなら発熱の有無に関わらずインフルエンザ感染は疑った方がよいと思います。
現在のインフルエンザの治療には、以下の4つの薬剤が使われています。内服薬ではタミフルが一般的です。吸入薬にはリレンザとイナビルの2種類がありますが、年齢的には粉末の吸入なので小学生以上でないと出来ないと思います。
最後が点滴で使用する注射薬のラピアクタです。点滴を必要とするような重症のインフルエンザには適用があると思います。
毎年のように流行するインフルエンザですが、感染時の登校、登園禁止期間について、2月16日文部科学省は学校保健安全法施行規則の4月からの変更を発表しています。
小学生以上については、現行の「解熱した後2日間」から「発症後5日を経過し、かつ解熱した後2日間」に変更となります。
幼稚園児についてはウイルスの消失が遅いということから「発症後5日を経過し、かつ解熱した後3日間」となります。幼稚園児に関しては、すでに厚生労働省の出している「保育所における感染症対策ガイドライン」の「解熱した後3日を経過するまで」との基準と一致することになりました。
インフルエンザの場合、集団の中での感染拡大の防止は、適切な対応をしない限り極めて困難です。施行規則やガイドラインが全てではありませんが、これらの基準を遵守することで感染の伝播はかなり抑えることが出来ると思います。
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