インフルエンザ菌b型ワクチンがようやく12月19日より接種出来るようになりました
インフルエンザ菌b型による全身感染症は、乳幼児に多くみられ、重篤な後遺症を残すこともある危険な病気です。その予防接種であるHibワクチンが、ようやく12月19日から接種出来ることになりました。
平成20年6月のクリニック通信で報告しているように、b型インフルエンザ菌(Hib)は乳幼児、特に生後3ケ月から1歳半の乳幼児に重篤な全身感染を起こすことで知られています。インフルエンザ菌による化膿性髄膜炎は、本邦では毎年約600人が5歳未満の小児に発症し、その殆どはb型インフルエンザ菌(Hib)によるものです。
その予後は極めて悪く、約5%が死亡し、約25%に後遺症が残ると報告されています。この感染を予防するHibワクチンはすでに世界では広く行われているのですが、日本では接種出来ませんでした。当初は今年の夏頃には接種出来るのではないかと言われていたのですが、発売が遅れ接種出来ませんでした。しかし、とうとう本年12月19日に発売されることが決まり、接種出来ることになりました。 *インフルエンザ菌、特にHib感染症の詳細に関しては、 本年6月のクリニック通信を参照して下さい。
■ Hibワクチンの接種はどのようになりますか 今回、サノフィパスツール第一三共から発売されるHibワクチン「アクトヒブ」は、まだ在庫が極めて少なく、自由に接種出来る訳ではありません。そのため、当初は一医院につき毎月3人までとの制限が付いています。月が変わる毎に3人は接種出来るということです。
12月1日から予約することは可能ですが、あくまで先着順なので3人になれば打ち切りになります。今後、供給が増えれば自由に接種出来るようになると思いますが、その時期はまだ分かりません。
■ アクトヒブの接種方法はどうなりますか
1.通常接種(これが一般的な接種方法です) 2ケ月齢以上〜7ケ月齢未満 ・初回免疫 3回接種 4〜8週間隔(医師が認めれば3週でも可) ・追加免疫(初回免疫後1年) 1回接種 ※ HibワクチンはDPT(三種混合ワクチン)と同時接種することが出来ます。 2.接種開始時期が遅れた場合 7ケ月齢以上〜12ケ月未満 ・初回免疫 2回接種 4〜8週間隔(医師が認めれば3週でも可) ・追加免疫(初回免疫後1年) 1回接種 1歳〜5歳 1回接種 5歳以上は予防する必要はありません
■ 接種費用はどの程度かかりますか Hibワクチンは任意接種ですから、接種費用がかかります。発売価格がまだはっきりしないので正確には分かりませんが、恐らく1回につき6〜7千円程度になるものと思います。
■ アクトヒブについての基本的注意 アクトヒブは、その製造工程においてウシ成分(フランス産ウシの肝臓及び肺由来成分、ヨーロッパ産ウシの乳由来成分、米国産ウシの血液及び心臓由来成分)を使用しています。そのため、理論上は伝達性海綿状脳症(TSE)伝播のリスクが極めて低いもののあると考えられています。ただ、多数行われている諸外国において、アクトヒブによりTSEがヒトに伝播したとする報告はありません。
Hibワクチンは、インフルエンザ菌感染に関し極めて有効な予防接種です。接種することによって、重篤な全身感染症は確実に予防することが出来ます。今は任意接種で費用はかかりますが、化膿性髄膜炎などの危険性を考慮すれば、接種する価値はあるワクチンと思います。ただ、極めて供給量が少ないので、接種を希望される方は当院受付までお電話をお願い致します。
わだ小児科クリニック Tel:078-747-3150 *自動電話予約、Web予約は出来ませんのでご注意下さい。
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