熱中症にはまだまだ注意が必要です
秋になろうというのにまだまだ暑い日が続いています。猛暑下では熱中症の危険はいつでもありますので、新型コロナウイルス感染対策とともに注意をしていきましょう。
今年の日本は猛暑が続いています。最近では気温38℃などと言われてもあまり驚かなくなってしまいました。地球温暖化が年々悪化する傾向にあるのは間違いないようです。更に、新型コロナウイルス感染はその第2波が収まりつつありますが、当面終息することは期待出来ず、その対策も長期化せざるをえないでしょう。結果として感染予防としてのマスク着用が熱中症の悪化につながることも危惧されています。 熱中症とは暑い環境の中にいた時に起こる体調異常の症状を言います。以前は @立ちくらみを起こす熱失神 A筋肉のこむら返りを起こす熱けいれん B全身倦怠感、脱力、頭痛、嘔気、嘔吐を伴う熱疲労 C熱疲労が更に進んで高熱、意識障害や全身けいれん、運動障害を伴う熱卒中(熱射病) というように軽症から重症に分類されていました。しかし、2000年以降は治療の必要性の観点から、T度、U度、V度に分けられる様になってきました。 T度 軽症(その場の処置で対応出来るもの) U度 中等症(医療機関での治療が必要なもの) V度 重症(入院しての集中治療が必要なもの) 熱失神や熱けいれんはT度の軽症、熱疲労はU度の中等症、熱卒中はV度の重症に当たります。症状の程度をみて中等症や重症ならすぐに医療機関を受診して下さい。
熱中症は必ずしも炎天下だけで起こる訳ではありません。高温の室内、脱水状態となればいつでも起こりえます。その予防のためには、まず暑さを避けることが大切です。直射日光に当たらない、日陰の利用、帽子や傘の使用に気を付けること。エアコンや扇風機で室温を管理することが大切です。また、屋外でも室内でもこまめに水分や塩分の補充をして脱水状態にならないよう気を付けて下さい。もし熱中症の症状があれば、すぐに涼しい場所に寝かせ、風通しをよくし身体を冷やして下さい。首筋、腋の下、鼡径部など太い血管に近い場所を冷やすのが効果的です。水分、塩分などもすぐ与えて下さい。症状の改善がなければすぐ医療機関の受診が必要です。
コロナ対策のマスクについては、口、鼻を覆うことで熱の拡散を制限し熱中症のリスクを上げる可能性があります。特に乳幼児程リスクが上がりますので、2歳以下の乳幼児はマスクはしません。それ以上の小児でも、屋外では2mのソーシャルディスタンス(社会的距離)が取れるならマスクを外して下さい。運動中もマスクはしないで下さい。
最後に熱中症の発症には、単なる気温の高さではなく暑さ指数(WBGT)との関連が重要視されています。熱中症警戒アラートはこの暑さ指数を基に出されています。暑さ指数とは気温・湿度・輻射熱の3つの要素を加味して計算されます。実際には乾球温度、湿球温度、黒球温度を1:7:2に分けで計測しますが、特に湿球温度(湿度と関連)の影響が強く出ます。黒球温度は日照量と関係します。この暑さ指数が28度を超えると熱中症患者が急増することが分かっています。気温が高くても湿度が低ければ暑さ指数は上がりません。逆に気温がそれ程高くなくても湿度が高いと暑さ指数は上がることになります。 暑さ指数(℃)=0.1×乾球温度+0.7×湿球温度+0.2×黒球温度
|