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長引く咳の時は百日咳に注意しましょう

百日咳は激しい咳の発作を起こすことで知られていますが、必ずしも典型的な症状になるとは限らず、知らないうちに百日咳に罹っていることが少なくありません。特にワクチンの効果がなくなる年長児や成人にその発症が増えており、最近では発症数の1/3は15歳以上の年長者と報告されています。2週間以上咳が続く場合は、その原因の一つとして百日咳は常に考えておく必要があります。






 百日咳はグラム陰性桿菌の百日咳菌による感染で、菌体成分として

百日咳毒素(PT)を始めとするいくつかの毒素を持っており、

それらが一連の症状を引き起こすとされています。


百日咳の典型的な症状は、以下の3つの経過をとることになります。






1. カタル期 百日咳菌に感染すると潜伏期間7〜10日後に軽度の風邪症状(咳、鼻汁)や結膜症状が起こり、1〜2週持続し、次第に咳の症状がひどくなっていきます。発熱は殆ど見られません。


2. 痙咳期 痙咳期は百日咳特有の咳の発作が起こる時期で、カタル期に続く2〜6週間にあたります。咳は次第に発作性に連続するようになり、たて続けに咳きこむのが特徴で、その後急に息を吸う時に喉にヒューという笛音が起こります(レプリーゼ)。このような咳の発作を痙咳といいます。咳の発作はかなりひどいもので、睡眠や摂食が出来なくなることも少なくありません。


3. 回復期 痙咳が次第に収まり治癒していく時期で、数週間から数か月続くこともあります。百日咳という名前もその名の通りそれだけ長く症状が続くということです。


4. 百日咳は、乳幼児ほどその症状はひどくなり、合併症も増えてきます。合併症として問題となるものは、無呼吸、肺炎、けいれん、脳症などで、乳児早期には特にその危険が高くなります。

6カ月未満の乳児では24%に合併症を認め、無呼吸は16%、肺炎は13%、けいれんは1.4%、脳症は0.2%あるとされ、2カ月未満では1%で死亡を認めています。百日咳の死亡例は殆ど乳児早期にみられています。このような乳児の百日咳予防のために、三種混合ワクチン(DPT)を早期に接種することが勧められています。ワクチンの接種で発症を抑え、重症化を防ぐことが出来ます。

しかし、DPTワクチンをしているからといって絶対に百日咳にかからない訳ではありません。症状的には、重症な典型的な痙咳は起こらないとしても、咳が続く場合はその可能性は常に考えておく必要があります。


 特に最近、問題になっているのは、DPTワクチンの効果がなくなってくる年長児や成人に百日咳が増えていることです。百日咳ワクチンの効果は、DPTワクチンを4回接種していれば10歳頃まではあると考えられていますが、それ以後は減弱してしまいます。

人によってはもっと早く効果が落ちるかも知れません。周りに百日咳の感染者がいれば、当然年長児や成人にはうつることになります。これらの感染者の症状は典型的な百日咳の症状にはならない場合も少なくありません。

ひどい痙咳ではなくても、咳が出ると止まらない、2週以上持続しているような場合は、百日咳は常に疑っておく必要があります。本人は軽度でも、菌を排出していれば乳幼児に感染させる危険性が常にあるので注意が必要です。長引く咳の場合は、必ず医療機関を受診して相談することをお勧めします。


 百日咳の診断は、培養法と血液検査による血清診断法が一般的です。特殊な施設では遺伝子診断も可能になっています。治療は、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)の使用が一般的です。治療開始後5〜7日で菌の排出はなくなるといわれています。ただ、菌体成分の毒素は菌が死滅してもすぐになくなる訳ではありません。この毒素がある間は、咳などの症状が持続することになります。






 その他、長引く咳の原因は百日咳だけとは限りません。
同じ属のパラ百日咳菌、肺炎マイコプラズマ、クラミジア、RSウイルス、メタニューモウイルスなどの感染があり得ます。

また、気管支喘息や慢性的な鼻炎も咳の原因になっている可能性もあります。2週以上続く咳の場合は、
単なる風邪と考えずに治療や検査をすることをお勧めします。


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