MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)2期の接種期限は、平成29年3月31日です。小学校入学前の対象者は、必ず3月31日までに接種をして下さい。
定期接種であるMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)は、1歳〜2歳未満に行う1期と、小学校入学前の1年間に行う2期があります。特に2期に関しては、入学直前の3月31日までに接種する必要があります。この期日を過ぎると、定期接種ではなく任意接種の扱いになり、費用がかかることになってしまいます。
麻疹や風疹は非常に伝染力の強い病気で、集団発症や流行を起こしやすく、流行になると大きな社会問題になってしまいます。麻疹による肺炎や脳炎、風疹による脳炎、血小板減少性紫斑病、先天性風疹症候群などの発症は、予防接種により十分に予防できる病気です。以前の予防接種のない時代は、麻疹で亡くなる小児は少なくなく、風疹による先天性風疹症候群の流行が大きな問題となったこともあります。しかし、小児への予防接種の開始後、特に2006年からの2回接種開始後からは、小児での発症は未接種者を除けば殆どなくなってしまいました。新生児に先天性心疾患、白内障、感音性難聴が認められる先天性風疹症候群にしても、殆どは予防接種歴のない妊婦が妊娠初期に風疹に罹患したことが原因です。しかも、その感染は小児での流行からではなく、接種歴のない成人での風疹の流行から起こっているのです。このように、麻疹ワクチン、風疹ワクチン、これらを混合したMRワクチンの効果は極めて高いことが分かっています。
MRワクチン2期は、小学校入学前1年間に接種することが決まっています。勿論、この対象の小児は、1歳〜2歳未満で接種するMRワクチン1期を接種していると思います。1期だけの接種でもそれなりの効果はありますが、感染予防としては十分ではありません。最近では周りで流行が起こらないため、自然のブースター効果(ワクチン増強効果)は期待できず、生ワクチンとはいえ年々予防効果が落ちる二次性ワクチン不善が起こる可能性があります。また、基より接種した人の5%程度は、接種しても十分な抗体を獲得できない一次性ワクチン不善があると言われています。そのためMRワクチン2期は予防効果を維持するためにどうしても接種しておく必要があるのです。
現在、神戸市においてはMRワクチンの供給が不十分になっており、特に2期の接種に差し障りが出てきています。これはある一社のワクチン製造会社の製品に不都合があったために、そこからの供給が停止となり、全体の供給数が減少してしまったためです。他社の供給増加もあって兵庫県全体としては足りているようですが、ワクチンの偏在のためか神戸市では供給不足の状態が続いています。しかし、MRワクチン2期の接種期限は3月31日と決まっていますので、対象者は出来るだけ早期に接種する必要があります。行政としてもワクチン供給の不足は把握していますので、もし接種医療機関が見つからない場合は、神戸市在住の対象者であれば神戸市保健所予防衛生課(Tel 078-322-6788)にご連絡下さい。