発行日:2004/05/18
* 熱 性 けいれんとは・・・
熱性けいれんは、6ケ月から6才位までの乳幼児に起こる発熱に伴うけいれんで、特に1才から3才の間に多くみられます。けいれんの回数も、起こしたこどもの7割はこの期間に1回か2回しか起こしません。日本人では、大体100人のうち7人程度が熱性けいれんを起こします。ただ、熱性けいれんには家族性がありますから、もし親族に熱性けいれんを起こしたことのある人が多ければ、その発症率は2倍3倍と高くなってしまいます。熱性けいれんは、発熱のある感染症では何でも起こりえますが、特に突発性発疹とインフルエンザの時に起こりやすいことが知られています。
また、熱性けいれんはある年令になると、殆どは何もなく直ってしまいますが、2〜3%はてんかん(無熱性けいれん)に移行すると言われています。
* 熱 性 けいれん の 症状・・・
熱性けいれんは多くが体温が急に38度以上に上がるときに出現し、持続時間も10分と続くことはなく、殆どは5分以内に止まります。けいれん自体はは全身の硬直型が多いのですが、時には脱力型のこともあります。眼は凝視していたり、ある一方に偏って白目をむいていたりします。
* 熱 性 けいれん の 型・・・
熱性けいれんは、特に問題のない単純型と少し問題のある複合型に分けられます。
複合型とは以下のような症状がある場合で、よりきちんとした治療や検査が必要となります。
・けいれんの回数が多い
・けいれんが20分も30分も止まらない重積状態になる
・半身けいれんのような神経の局所症状がある
・発熱が軽度なのにけいれんが起こる
・年令範囲をはずれて、6ケ月未満や7才以上で起こる
・けいれんが止まった後に麻痺などの後遺症がある
・同日に二度も三度もけいれんする
単純型とは上記のような症状にあてはまらない場合で、特に検査は必要ありません。
* 熱 性 けいれん の 治療
熱性けいれんの治療は、最近は殆どジアゼパム坐剤(ダイアップ坐剤)が使われています。ただ、けいれん中であればジアゼパムの靜注をすることもあります。また、複合型の患者で日頃から予防する場合は、以下のやり方が行われています。
・ダイアップ坐剤を用いた発熱時の間欠的予防投与
・フェノバルビタールあるいはバルプロ酸の持続内服治療