発行日:2004/10/04
■インフルエンザの症状はどんなものですか
毎年冬に流行するインフルエンザは、突然の高熱や寒け、だるさ、のど痛、頭痛、関節痛、
筋肉痛などの症状がとても強く、普通のカゼに比べ明らかに重症になります。また、時には 脳炎や脳症などの極めて危険な状態になることもあって、子どもやお年寄りには注意が必要な病気です。
乳幼児では熱性けいれんの危険も高くなります。インフルエンザは非常に強い伝染力があり、
うつると約1〜3日ですぐ発病してしまいます。鼻や口から入ったインフルエンザウイルスは 鼻やのどの粘膜に付くと、そこですぐに増えてしまうからです。
■インフルエンザにはどんな種類があるのですか
ヒトのインフルエンザウイルスには、A型、B型、C型の3種があり、このうち流行に関与しているのはA型とB型です。
更に詳しく分けると、今まで毎年流行っていたのは殆どA香港型(H3N2)、Aソ連型(H1N1)、B型の3種でした。
程度の差こそあれ、この3種のウイルスが流行の原因になっているため、現在のインフルエンザワクチンは、この3種から作られています。
ところが、最近これらの型とは全く別のトリ型インフルエンザA(H5N1)が重要な問題になってきています。
平成16年の京都の養鶏場での大騒動を覚えておられるでしょうか。まだ、トリからヒトへの感染が認められているだけですが、
万が一ウイルスが変異して、ヒトからヒトへ感染するようになると大流行の危険があります。全くの新しいウイルスということで、
今までのインフルエンザ感染の既往やワクチンの効果は全く期待出来ないからです。
■インフルエンザにかからないためにはどうすればよいでしょうか
インフルエンザウイルスは低温、乾燥を好みますので、寒くなると流行が起こりやすくなります。
身体の調子が悪いとよりかかりやすくなりますし、かかった時も症状が重くなります。無理のない生活をして、
きちんと食事をとり、十分な睡眠をとることが病気にならない一番よい方法です。
また、流行期間中は人混みへの用のない外出は避けた方がよいと思います。外出するときは出来るだけマスクをして、
外出から帰ればうがいや手洗いを心がけて下さい。マスクはのどの保温や保湿を助け、ウイルスが増えるのを少なくすることが出来ます。
しかし、ウイルスは非常に小さくマスクのすき間からも入り込みますし、気道の粘膜に付いてから増えるのも非常に速いため、
外出から帰ったらすぐにうがいをすることが大切です。また、手洗いは咳などの飛沫で手に付いたウイルスを洗い流すことで 感染の予防に役立ちます。
■インフルエンザワクチンの効果は
現在のインフルエンザワクチンは、成人で70%の効果があるとされています。
このことは、ワクチン未接種で発病した人の70%は、ワクチンをしていれば発病をしなかったという意味です。
小児での効果はこれより少ないとされていますが、重症化を抑えられるとの報告が多くされています。
学童や幼稚園・保育園など集団生活をする幼児では感染の危険が高いため、ワクチンの接種が勧められます。
ワクチンの接種回数は、小児の場合、10月から12月の間に通常2回接種することが一般的です。
■インフルエンザの治療はどうするのですか
インフルエンザはA型でもB型でも症状にはそれ程変わりはありませんし、検査キットによってすぐに診断することも可能です。
また、発病してもタミフル、シンメトレル、リレンザといった薬で早く直すことも出来ますので、疑わしい時はすぐに診察を受けて下さい。