発行日:2004/05/18
*【 かぜ 】とは・・・
一般に「かぜ」といわれるものは、一つの単独な病気ではなく、かぜ症候群という多くの病気の総称です。
別な言い方では、かぜは「急性上気道炎」と言って、「上気道」即ち、口から鼻、のどまでの感染を意味しています。
個々の症状が強く現れていれば、鼻炎、咽頭炎、扁桃腺炎、喉頭炎などと言われることもあります。
ちなみに「下気道」とは気管支や肺のことで、下気道炎は気管支炎とか肺炎のことです。
* 原 因 は・・・
上気道炎の原因は90%はウイルスによるものです。 ウイルスの種類は200も300もあって、それぞれ起こしやすい症状があります。
鼻が出やすいウイルスもあれば、のどが腫れやすいものもあります。 小さい子が何回もすぐかぜをひくというのは、同じものにかかっている訳ではありません。
症状的には同じようでも、色々なウイルスに次から次にかかっていると考えて下さい。
さて、原因の残りの10%はウイルス以外の細菌やマイコプラズマ、クラミジアといったものです。
これらの感染とウイルスによる感染の区別は、特別な症状がない限り必ずしも容易ではありません。
ウイルスには抗生物質の効果はありませんが、細菌やマイコプラズマ、クラミジアにはよく効きます。
もし、かぜに抗生物質が処方されている場合は、ウイルス以外の感染も疑われていると考えて下さい。
* 下痢 や 嘔吐 は・・・
よく下痢や嘔吐などのある胃腸炎のことを「おなかのかぜ」と言う人がいます。 かぜの本来の意味からすると少しおかしいのですが、同じウイルスでも咳や鼻汁と 一緒に下痢や嘔吐を起こすことがあるので、「かぜ=感染症」としてそのような 言い方が出てきたのかも知れません。ただ、かぜは基本的には上気道の感染ですから、 「おなかのかぜ」という言い方はやはり無理があると思います。