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夜尿症について

小児が夜間におしっこを漏らしてしまうおねしょはよくみられる症状です。幼児の場合はそのままおねしょと言っていますが、5〜6歳以上の小児の場合は夜尿症と呼ばれています。夜尿症は自然治癒することも多いのですが、頻回に夜尿のある場合は本人や家族の心理的負担も考慮し、出来るだけ適切な治療をすることが勧められています。








 夜尿症は、5〜6歳児で約10〜20%、小学校高学年でも約5%にあると言われています。幼児期のおねしょに関してはまだ年齢的に小さいので特に治療は必要ありませんが、5〜6歳以降小学校入学以後の夜尿症に関しては、症状によっては早期に治療する方がよいと言われています。

 夜尿症は、夜間の尿量、尿を貯める膀胱の大きさや排尿機能、尿貯留に伴う睡眠覚醒の異常など様々な要素の調整がうまく取れていないために起こっています。


夜尿症のタイプには以下の4つに分けられます。




1. 多尿型
一般的な夜間の尿量は、小学校1〜3年生で200cc以下、4年生以上で250ccとされています。このタイプはこれ以上の夜間尿量があり、尿も非常に薄くなっていることが多いのです。原因としては、水分摂取が多過ぎる場合や尿を濃くする夜間の抗利尿ホルモンの分泌が少ない場合などがみられます。このタイプは水分制限や薬物療法の効果が高く、治りやすい夜尿症と言えます。


2. 膀胱型
夜間の尿量は少ないのに、膀胱の容量が小さく尿を貯めておけないために夜尿が出てしまう場合です。このタイプでは昼間にも尿が近かったり、おもらしすることもあります。夜間の冷え性を伴うこともしばしばみられます。このタイプは蓄尿量を増やすような薬物や排尿のがまん訓練がある程度効果を示しますが、多尿型よりは治療が難しくなります。


3. 混合型
多尿型と膀胱型の合わさったタイプで、夜間尿量は多く膀胱容量も小さいためより治りづらいタイプになります。


4. 解離型
夜間尿量も多くなく膀胱容量も小さくないのにわずかの尿量でも夜尿が起こるタイプです。このタイプは排尿時に覚醒反応がなく膀胱が過活動に収縮を繰り返す機能異常と考えられています。このタイプは通常の薬物治療に反応しない難治型ですが、夜間アラーム療法の効果があると言われています。





 このような夜尿症の分類には次のような検査を必要とします。

まず夜間の尿量の測定が必要で、眠前の排尿後から測定を始め、夜尿を含めた睡眠中の尿量と朝一番の尿量を足した量になります。これが年齢相応の尿量かどうか調べるのです。次に尿の濃さを調べるために、夜間あるいは早朝尿の尿比重や尿浸透圧を計測します。この値が低い場合は尿が薄いということで、夜間の抗利尿ホルモンの分泌が不十分という可能性があります。

更に、昼間でよいのですが出来るだけ排尿を我慢させた時の排尿量を調べます。これは機能的膀胱容量(がまん尿量)でこの値が低いと尿をあまり貯めておくことが出来ないためより夜尿を起り易くなります。通常、小学1年生で150cc以上、2年生で200cc以上、3年生以降で250cc以上と言われています。

 以上のような検査以外に必要に応じて、検尿、一般血液検査、超音波検査、腰椎X線検査、頭部CTやMRI検査などを行うことがあります。





 一般的な夜尿症の治療の基本は、夜間起こさないこと、症状の改善に焦らないこと、叱らないことの原則を守って下さい。夜間ぐっすり眠ることで抗利尿ホルモンは分泌が増え、夜間尿量を減らすことが出来ます。夜間に無理やり起こしていると、抗利尿ホルモン分泌が減るばかりでなく、成長ホルモンの分泌も減らしてしまい身長の伸びにも影響が出てしまいます。

夜尿症は一部を除いてすぐに治ることは難しい病気です。周りの人があまり焦っているとそのイライラはすぐに子供に分かってしまいます。

そして夜尿をしても決して叱ってはいけません。本人も努力しているのに出てしまう訳ですから、余計に傷ついてしまいます。特別な病気でない限り確実に治っていくので、常に励まし続けるのがよく、もし夜尿がなかった時は大いに褒めてやることも必要です。

日常生活においては、水分の摂取量に気を付ける必要があります。夜間尿量を減らすために出来れば就寝3時間前には夕食をとり、夕食後は水分を摂らないようにします。ただ一日の水分量は必要なので、その分は朝や昼に摂るようにして下さい。

また塩分も控え目にした方がよいでしょう。不規則な生活では排尿も安定しないので、規則正しい生活をして下さい。

冷え性のある子供は入浴や衣服や寝具で温めてやることも必要です。

機能的膀胱容量を増やすために、日常的におしっこのがまん訓練や排尿中断訓練をすることが役に立つと思います。







  夜尿症の薬物治療には以下の3種類の薬がよく使われています。

1. 三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬  昔から使われている薬で、抗利尿ホルモン分泌を増やしたり、抗コリン作用、尿意覚醒促進作用などがあると言われています。

2. 抗コリン薬 膀胱収縮筋を緩め、膀胱容量を大きくする薬です。

3. 抗利尿ホルモン点鼻療法 抗利尿ホルモンを点鼻することで、尿量を減らすことが出来ます。多尿型のタイプには非常に効果があります。

以上の薬の中からを夜尿症のタイプに合わせて単剤あるいは併用で使用していくことになります。なかなか短期では済まずに長期になることも多いので、そのような場合には漢方薬を併用することもあります。



その他に、薬物療法が効果のない解離型の場合では夜尿アラームを装着した行動療法が行われ、十分な効果がみられたとの報告もされています。

夜尿症はありふれた症状とはいえ、以前は親のしつけの問題などと誤った認識をされていました。しかし、今は排尿機能に関係した神経発達、抗利尿ホルモン分泌、尿量に関わる膀胱機能などの調節が不十分のためと考えられています。

学童期になっても夜尿が続く場合は、本人、家族の心理的負担は決して軽いものではありません。今では多くの治療の選択肢がありますので、夜尿症でお悩みの場合は早期に治療することをお勧めします。



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