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風疹の流行に注意しましょう。

平成24年度から全国的に成人の間に風疹の流行がみられています。

特に、兵庫県を中心とした近畿地方では、
妊婦が感染することにより起こる先天性風疹症候群の発症が報告されています。

平成25年になっても首都圏を中心に流行が続いており、風疹予防の徹底が必要とされています。






風疹は麻疹と共に有名な病気ですが、
最近は小児で流行することがないために
その実態を知る人が少なくなってきました。

風疹は風疹ウイルスによって起こる感染で、ヒトのみが感染します。
不顕性感染は約25%程度あります。

潜伏期間は2週〜3週で、
発症は細かな斑状の発疹が顔面から体幹、四肢に出現します。

この発疹は融合傾向がないのが特徴です。
同時に頚部、後頭部、耳介後部のリンパ節腫脹がみられ、
発熱など風邪症状もみられます。
発疹や発熱は大体3日程で消退しますが、リンパ節腫脹はしばらく残ります。




風疹が「3日ばしか」と呼ばれるのは、
発疹が麻疹と異なり3日程で消えてしまうことからです。

小児にとって風疹は、麻疹と違ってあまり重症にはなりませんが、
約6000人に1人は風疹脳炎を起こし、約3000人に1人は血小板減少症などの合併症を起こします。
しかし、成人が風疹に罹患すると症状は小児に較べはるかに重症になってしまいます。

今、風疹の流行は小児ではなく、
予防接種をしていない成人(特に男性)で起こっています。



社会で風疹の流行が続くことにより、成人妊婦への感染の危険性が高まることが問題になっています。
妊婦が妊娠初期に風疹感染を起こすと、
胎内感染により出生児の先天性風疹症候群の発症が高くなるからです。

先天性風疹症候群とは風疹の胎内感染により、
出生児に白内障、先天性心疾患、感音性難聴、発達遅延などの先天障害が起こることです。
現に平成24年度では近畿地方で5例の先天性風疹症候群の報告がみられています。




風疹の発症予防にはワクチン接種が有効です。

日本では1977年から先天性風疹症候群予防のために、
女子中学生にのみ風疹ワクチン接種を始めました。

しかし、風疹感染を最も起こしやすい小児に接種しなかったために、
風疹の流行は全く止まりませんでした。

1994年からは風疹自体の流行を抑えるために、
接種対象を1歳〜7歳半までの小児全体に変更しました。

このことにより小児全体の流行はなくなりましたが、
接種が不徹底だったために、未接種者や成人の発症は続いていました。



2006年から未接種者をなくすこと、
更によりワクチンの効果を高めるために1歳児と就学前1年間の2回接種が始まりました。

また、2008年から5年間の期限付きで中学1年生と高校3年生にも接種が認められて現在に至っています。
2回の接種により風疹に罹ることはまずありませんし、その結果合併症も起こりません。
現に小児では殆ど風疹の発症はなくなっています。

しかし、予防接種をしていない成人や、
予防接種後長い期間が経ち予防効果がなくなってしまった成人には風疹が発症し、流行が止まらないのです。



大きな後遺症を残す先天性風疹症候群の予防には、
妊婦になる可能性のある女性やその家族は必ずワクチンをすることと、
社会全体での風疹の流行防止のために
一般成人にも風疹ワクチン接種の意義を啓蒙することが必要と思います。



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