【インフルエンザの流行に気を付けましょう】
2月中旬より全国的にインフルエンザの発症が目立つようになりました。流行は今後もしばらく続くものと思われますので、感染には十分気を付けて下さい。
今年のインフルエンザは1月中はあまり発症が見られませんでしたが、2月中旬頃より全国的に流行が見られるようになりました。 神戸市においても、2月下旬より発症が急増し、学級閉鎖になることもしばしばあり、今後もしばらくは流行が続くものと思われます。
暖冬のためか例年に較べ発症時期が大分遅れていますが、その分流行が長引く可能性があります。寒さが緩んでも発症が続くのであれば、3月は元より4月にまで流行は残るかも知れません。
今年のインフルエンザはA型、B型ともに流行がみられていますが、患者数としてはB型の方が多いと思われます。一般的な傾向として、学童や中学生にはB型が多く、乳幼児にはA型が多いようです。
症状的にはA型もB型もそれ程差はありませんが、今年は典型的なインフルエンザを疑わせる強い症状の人は少なく、これがインフルエンザかというような軽い症状の人が多いようです。しかし、いくら症状が軽いからといっても他の人には感染する訳ですから、発熱はあまり高くなくても、悪寒がしたり、身体のだるさが目立つ人はインフルエンザを疑ってみることが必要です。
もし、インフルエンザと判った場合には、きちんとした治療が必要となります。また、周りの人もマスクやうがい、手洗いなど感染予防をきちんとすることが大切です。
ところで、今年になってインフルエンザと診断された後、治療薬のタミフル内服後に2人の中学生が転落死をしています。 問題なのはこのような痛ましい出来事が、タミフルの副作用として起こったのではないかと疑われていることです。
タミフルが幻覚、妄想などを引き起こし、その結果マンションから飛び降りるというような異常行動を起こしたのではないかということです。タミフル使用開始後から現在まで、異常行動などによる16才以下の死亡例は18人になります。
厚生労働省の研究班が昨年行ったアンケートによる調査研究では、タミフルの服用群と非服用群の間には異常言動の発現に有意な差はなかったと報告されています。(服用群11.9%、非服用群10.6%)異常言動はタミフルの直接作用としてではなく、インフルエンザによる脳症症状によるものではないかということです。しかし、現実には異常な精神・神経症状の発現とタミフルとの関連を完全に否定することは出来ないようです。この究明のために厚生労働省は、本年度、更に精度の高い調査を行うことになっています。
インフルエンザによる異常言動の発現は、殆どは発症後1〜2日に起こっていることが判っています。そこで保護者としては異常言動が起こる危険性を十分理解しておくことと、タミフル服用の有無に関わらず、この2日間は小児・未成年者を一人にしない配慮が必要とされています。
また、タミフル以外のインフルエンザ治療薬として、リレンザが昨年から5才以上に使用出来ることになりました。粉末を吸入するという方法ですので、学童以上なら十分に使用は可能です。B型にはリレンザの方が効きやすいとも云われますので、タミフルの使用を望まない方は使用してみてもよいと思います。
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