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乳幼児の喘息様症状に気を付けましょう

2才未満の小児はかぜなどの時によくゼーゼー、ヒーヒーという喘鳴が聞こえる時があります。よく喘息かも知れないと言われますが、その診断には注意が必要で必ずしも簡単なものではありません。

2才未満の小児の気管支喘息は、乳児喘息と規定されています。確かに小児気管支喘息の発症年令からは、患者の約60%は2才までに喘息と診断されています。
それだけ、この時期は喘息が起こりやすいとは言えますが、喘鳴があるからといって全ての人が喘息ではありません。

乳児喘息との診断には、気道感染の有無に関わりなく明らかな呼気性喘鳴(息を吐く時にヒューヒューいう)が3回以上あるということが必要です。つまり、かぜにかかる度に喘鳴が出るというようなエピソードが必要なのです。
一度喘鳴があったからといって、すぐには喘息と決められませんし、すぐに長期的な治療が必要な訳でもありません。乳幼児では喘鳴を出す病気が喘息以外にもあるからです。







乳幼児の喘鳴は急性一過性の喘鳴と反復性喘鳴に分けることが出来ます。
急性喘鳴は細気管支炎、気管支炎・肺炎といった呼吸器感染に伴うことが殆どです。
2才未満では気管支の内径も細く、呼吸機能も未熟のため簡単にグーグーというような低調性の喘鳴が起こり易いのです。
特にRSウイルス感染によるものがその多くを占めていますが、その他にパラインフルエンザ、ヒトメタニューモ、アデノといったウイルス感染でも起こります。

喘息性気管支炎と呼ばれる病態は、このような感染に伴う場合が言われており、必ずしも乳児喘息を意味するものではありません。また、その他の一過性喘鳴にはクループや気道異物があります。クループは喉頭の炎症による吸気性喘鳴、犬吠様の咳が目立ちますし、突然の発症なら気道の異物も疑わなければいけません。3回以上の反復性喘鳴を起こす場合はやはり気管支喘息が疑わしくなります。

特に家族歴やアトピー性皮膚炎などアレルギー性素因がある場合は、より可能性が高いので検査などする方がよいでしょう。
その他で反復性に喘鳴が出るものとしては、器質的異常がある場合が考えられます。
喉頭・気管の異常、慢性の肺疾患、心疾患、胃食道逆流などが稀な異常として認められることがあります。
乳児喘息はその年令的な特徴から年長児に較べ、急激な悪化が起こり易く、薬剤による治療効果が悪いので注意が必要です。


自分の言葉で訴えることも出来ないので、呼吸の状態、睡眠の可否、顔色、食思などをよく見ていて、悪化傾向があるならより上位の治療をしなければなりません。
入院が必要となる場合もありますので、喘息発作が疑われる場合は早期に医療機関を受診して下さい。

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