アレルギー性鼻炎と花粉症
アレルギー性鼻炎はくしゃみ、鼻水、鼻閉が主な症状ですが、花粉によって起こるものは花粉症と呼ばれています。二月になるとスギによる花粉症が目立ってきます。
アレルギー性鼻炎の主症状は、くしゃみ、水様性鼻汁、鼻閉とされています。発作性にこのような症状が出て持続するため、苦しかったりイライラしたりして日常生活に支障が出ることも少なくありません。
その中でも花粉によって起こされるものは花粉症と呼ばれています。 花粉症の代表はスギ花粉によるもので2月頃から発症が目立ってきます。
■ アレルギー性鼻炎はどうして起こるのですか アレルギー性鼻炎はアレルゲン(抗原)という原因物質が鼻粘膜の肥満細胞を刺激し、 ヒスタミン、ロイコトリエンなどの物質を放出し、それらがくしゃみ、鼻水、鼻閉といった症状を引き起こすことで発症します。 アレルギーの病態としてはT型アレルギー反応に当ります。発症時期も、以前はアレルギー行進といって、アトピー性皮膚炎から気管支喘息になり、次にアレルギー性鼻炎になるといった学童期からの発症が多くみられていました。 しかし、最近では次第に低年齢化してきて1-2才でもみられるようになっています。
■ アレルゲンにはどんなものがありますか アレルギー性鼻炎には一年中みられる通年性のものと季節性のものがあります。 通年性のものはハウスダスト・ダニ、ネコ・イヌなどのペットによるもので、幼児期にもみられますし、気管支喘息との合併もよくあります。 季節性のものの代表が花粉によるもので、花粉の季節で発症時期が決まります。
春はスギ・ヒノキ・ハンノキが主なもので、初夏の5-7月はカモガヤに代表される イネ科の植物です。 秋はブタクサ・ヨモギ・カナムグラが主になります。
花粉症の場合は、鼻炎と共に目が痒い、赤くなるといったアレルギー性結膜炎がよく合併します。
■ アレルギー性鼻炎の検査にはどんなものがありますか アレルギー性鼻炎の診断は、どんな症状がいつ起こるかといった問診で大体は判断出来ますが、アレルギー検査をすればより原因がはっきりします。一般的には採血で特異的IgE抗体の検査をすればかなり正確にアレルゲンの同定が出来ます。 アレルゲンの特定はプリックテスト・スクラッチテストといった皮膚反応でも可能です。 その他、アレルギー体質をみる血清総IgE値、好酸球数や鼻汁好酸球検査なども診断のため行われています。
■ アレルギー性鼻炎の治療はどうしたらよいですか アレルギー性鼻炎には通常内服治療が行われ、効果不充分の時は鼻腔への噴霧治療が併用されます。 内服薬は抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤が主となり、くしゃみや鼻汁が強い場合は第1、第2世代の抗ヒスタミン剤が使われます。(第2世代の抗ヒスタミン剤は抗アレルギー剤にも分類されます)
鼻閉の強い場合は抗ロイコトリエン剤がよく使われています。鼻腔への噴霧治療には、局所ステロイド剤と局所抗アレルギー剤があり、症状の強い場合は局所ステロイド剤が必要となります。
長期的予防としては、抗アレルギー剤の内服・鼻腔噴霧をすることが多く、特に花粉症の場合は発症前からの予防内服が効果があります。
その他、日常生活での対応として、アレルゲンに応じて環境整備をすることも必要です。アレルゲンを減らす、接触を避けるといった可能な範囲での対応は、即効性はありませんが長期的には症状を減らすことが出来ます。あと特殊な治療としては、特異的減感作療法、外科的なレーザー手術などが行われることもあります。
アレルギー性鼻炎は気管支喘息のような呼吸苦はありませんが、症状が持続すると学校生活などにもかなり支障が出ます。 原因を知り、適切な治療をすれば多くの症状は改善することが出来ます。 くしゃみ、鼻水、鼻閉が目立つ場合、花粉症が疑われる場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。
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