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【冬の乾燥肌に気を付けましょう】

 冬になると皮膚の乾燥やかゆみがひどくなる人は少なくありません。冬は大気が乾燥する上に、暖房の影響や発汗の低下により皮膚の潤いが無くなり易いからです。

人の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織からなり、その一番外側にある表皮は角質細胞が重なった角層で覆われています。この角層が外部からの様々の刺激や侵入物を防ぎ、身体の水分の発散を防ぐバリア機能を担っています。このようなバリア機能の維持には次の3つの成分が関係しています。

1) 皮膚の表面を覆う皮脂膜
2) 角質細胞に含まれる天然保湿因子
3) 角質細胞の隙間にある角質細胞間脂質

皮脂膜は皮脂腺から分泌される皮脂により皮膚の表面を覆ったもので、水分の蒸発を抑えます。天然保湿因子とは角質細胞に含まれたアミノ酸や塩類のことで、水分を保持する性質があります。角質細胞間脂質は、角質細胞と角質細胞の間にあるセラミドに代表される脂質で、水分をはさみ込んで乾燥を防いでおり、保湿とバリア機能に最も大切な要素とされています。 ここで [小児の皮膚の特徴] を考えてみましょう。小児の皮膚は成人に比し、構造や機能の点で未熟な状態にあります。角層が薄いことは確実にバリア機能の低下につながります。また、性ホルモンの分泌が少ないために皮脂の分泌も少なくなり、より乾燥しやすくなります。特に冬期は大気の乾燥のため、バリア機能に低下のある小児では、角層の水分が低下して乾燥肌(ドライスキン)が目立つようになります。更に、かゆみによる掻破も加わると、より湿疹を悪化させることになるのです。
このような乾燥肌に対しては、スキンケアの重要性が指摘されています。スキンケアの基本は、皮膚の清潔、保湿剤による乾燥防止、日常生活での悪化要素の排除といった全体的な取り組みです。この中でも保湿剤による軟膏治療は、バリア機能や保湿能の改善にとても大切な治療となります。保湿剤にも多くの種類があり、その効能にも差があります。医師と相談の上、症状に合わせた治療の選択が大切だと思います。また、乾燥肌に加えアトピー性皮膚炎の合併がある場合は、保湿剤以外の治療も必要となりますので、よりきちんとした対応が必要となります。

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