例年、梅雨の時期から真夏は、下痢や嘔吐などの胃腸炎が問題となる季節です。
特に注意が必要なのは、食中毒に代表される細菌性の胃腸炎です。
O-157のような病原性大腸菌、サルモネラ、キャンピロバクター、ビブリオなどがその原因ですが、
これらの細菌は牛、豚、鶏などの家畜やペットの便、魚介類に付いていることが多く、気温の高い夏は
放置しておくとすぐに増殖し、より感染の危険性が高くなります。
また、細菌以外にノロウイルスやアデノウイルス、エンテロウイルスなどによるウイルス性胃腸炎も
よくみられます。もともと夏風邪のウイルスは腸管ウイルスが多いので、この季節は胃腸症状も
起こりやすいのです。
*【症状】としては、下痢・嘔吐と同時に腹痛・発熱もよくみられます。
ウイルス性腸炎は水様便が多いのですが、細菌性腸炎では血便(血の混じった便)になることが多いのです。
血便に関しては、細菌性腸炎以外に乳幼児では腸重積など緊急な病気もありますので、
血便があったらすぐに医療機関を受診して下さい。(受診の際、検査のためにできれば便を持参して下さい。)
*【感染予防】このような胃腸炎は殆どは経口感染で発病します。それをを防ぐために、以下のことを守って下さい。
- 石鹸を使った手洗いやうがいをきちんとする。
- 病原細菌を増やさないためにも、食事や痛みやすい食材を常温に放置しない。
- 料理は出来るだけきちんと火を通す。
- 古い食べ物や時間の経った生ものは食べない。
- 肉、卵、野菜、魚に触れたまな板、皿、箸などはすぐに洗っておく。
- 下痢便や吐物の処理をきちんとする。
このような日頃からの対応で多くの感染性胃腸炎は避けることが出来ます。
しかし、乳幼児に関しては、もともと感染に対する抵抗力も弱い訳ですから、
周りの人の注意がとても大切になります。
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